e-Stat APIで静岡県平均15.1%では見えない”市区町村の空き家格差”をリアルタイム可視化

静岡県の市区町村別空き家率を色分けした地図と、熱海市・伊東市・伊豆市の高い空き家率を示すグラフを組み合わせたダッシュボードイメージ GISアプリ
e-Stat APIを用いて静岡県内の市区町村別空き家率・空き家数を可視化。伊豆半島と製造業地域の構造差が一目でわかる。

「空き家問題」は全国平均13.8%——しかしその数字の裏に、地域ごとの深刻な格差が潜んでいる。静岡県内でも、熱海市34.9%・伊東市32.4%・伊豆市27.6%と、県平均を大きく上回る市が存在する。別荘地を抱える伊豆半島沿岸部と、製造業が集積する浜松・磐田周辺では、空き家の「質」も「量」もまったく異なる構造だ。

本記事では、総務省「令和5年住宅・土地統計調査」のデータをe-Stat APIからリアルタイムに取得し、静岡県内の主要市区町村の空き家率・空き家数をインタラクティブに可視化するダッシュボードを公開する。


🏚 静岡県 市区町村別 空き家インタラクティブダッシュボード

※ バーチャートをクリックするとバブルチャートと連動してハイライトされます。ボタンで指標を切り替えられます。 https://gkukan.net/htdocs/shizuoka_vacancy_dashboard.html

データ出典: e-Stat 政府統計の総合窓口 / 令和5年住宅・土地統計調査(2023年10月1日現在)


伊豆半島の「二次的住宅」問題

空き家率トップの熱海市(34.9%)・伊東市(32.4%)・伊豆市(27.6%)に共通するのは、別荘・リゾート地としての歴史だ。空き家の種類別に見ると、これらの市では「二次的住宅(別荘等)」の比率が高く、全国平均とは異なる構造をもつ。

別荘型の空き家は管理者が遠方に住むケースが多く、建物の老朽化が進みやすい。固定資産税は発生しているものの、活用・売却が進まない「塩漬け物件」として放置されるケースも多い。不動産担保評価においては、流動性リスクとして明示的に評価に織り込む必要がある。

製造業地帯の「賃貸用空き家」との違い

対照的に、浜松市(15.3%)・磐田市(14.3%)・袋井市(14.1%)は県内でも空き家率が低い水準に留まる。これらのエリアでは、製造業の雇用が住宅需要を下支えしており、賃貸用空き家の流動性も相対的に高い。

同じ「空き家」でも、賃貸用として市場に出ている物件と、放置・管理不全の物件では担保価値の評価が根本的に異なる。エリアの産業構造・人口動態・空き家の種別を組み合わせた分析が、融資判断の精度を左右する。

静岡県全体の傾向と今後

静岡県の空き家率は2023年時点で15.1%と全国平均(13.8%)を上回る。人口減少が進む中山間地域では、今後さらに上昇することが予測される。

バブルチャートを見ると、静岡市・浜松市は空き家の絶対数が多い一方で空き家率は中程度——つまり住宅ストックが大きい都市型の構造だ。伊豆半島の市は絶対数は少ないが率が突出して高く、局所的な供給過剰が起きていることがわかる。この空間的な非対称性こそが、エリア分析において地図・チャートで可視化することの意義だ。


本ダッシュボードはe-Stat API・D3.js・Chart.jsを使用して構築。対象は令和2年国勢調査時点で人口1万5千人以上の市区町村。住宅・土地統計調査は5年ごとの実施のため、次回更新は2028年予定。

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