【奈良市オープンデータ活用】AIによる地目分類の教師データ作成とモデル登録までの道のり

【奈良市オープンデータ活用】AIによる地目分類の教師データ作成とモデル登録までの道のり #固定資産 #地目判読  #人工知能 AIの応用
【奈良市オープンデータ活用】AIによる地目分類の教師データ作成とモデル登録までの道のり #固定資産 #地目判読  #人工知能

【奈良市オープンデータ活用】AIによる地目分類の教師データ作成とモデル登録までの道のり

AIと地理空間データの融合が現実のものとなった今、自治体のオープンデータを活かした地目分類AIの取り組みは、次世代の都市管理・地籍整備の大きな一歩となります。今回、奈良市が公開しているオープンデータを利用し、地目(田・畑・宅地・山林・雑種地)を分類するAIモデルを作成するまでの「教師データ作成」から「AI登録」までのプロセスをご紹介します。

1. 教師データとは何か、なぜ必要か?

AIの性能は「教師データ」の質に大きく依存します。教師データとは、AIが学習するために用意された正解付きのデータです。今回は地図上の地番ポリゴンに対して、「これは田」「これは山林」などと人間が判断した正解ラベルを付与し、それをAIに学習させました。
この教師データが雑であれば、AIは誤った判断をするようになります。反対に、精緻で偏りの少ないデータを用意することで、現実に即した分類を実現できます。

2. データ収集と整備(前処理)

まず最初に行うのは、データの収集です。奈良市のオープンデータポータルでは、空中写真(GeoTIFF形式)、地番図(GPKG形式)などが提供されています。これらを用いて以下の工程を実施しました:

  • 位置合わせ(ジオリファレンス):空中写真と地番図の座標を統一

  • ノイズ除去:小さな破片ポリゴンや誤差を排除

  • 分類対象の地目のみ抽出:田・畑・宅地・山林・雑種地など明確なカテゴリのみを対象とする

ここで重要なのは、「空間的な正確さ」と「ラベルの正しさ」の両立です。AIは座標上の画素を学習対象とするため、少しのずれや誤ラベルが精度に直結します。

3. アノテーション(ラベル付け)

地番図のポリゴンデータ一つ一つに、「これは田」「これは畑」などのラベルを付けていく作業です。これは極めて地道ですが、地目分類AIにおいて最も重要な工程の一つです。
GISソフト(例:QGIS)を用いて手動でタグ付けを行うことで、高精度な教師データを作成しました。自動アノテーションも可能ですが、今回の目的は精度重視だったため、完全手動で実施しています。

4. AIモデル構築と登録

地目分類AIにはPyTorchベースのCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を利用。教師データをもとに学習させ、以下の流れでモデルを構築しました:

  1. ラベル付き地番ポリゴンと空中写真をペアにした画像データセットを作成

  2. 学習用・検証用にデータを分割

  3. CNNにて学習(land_classifier_model.pthの生成)

  4. ラベルマップ(例:0=田, 1=畑…)に従ってGeoJSON出力

モデルの登録後、「land_use_guess_fixed.py」によって任意の地図に対し自動推定を実施。GeoJSON形式での出力により、他のシステム(都市計画、農地管理、土地登記など)への連携も可能です。

5. 因果・対比・同等の論理展開

AIにとって、教師データは“教育者”に等しい存在です。教師の質が高ければ、学習者(AI)はより良い判断を下せるようになります。これは人間と同じ原理です(同等構造)。

また、教師データが不完全であれば、AIは誤分類を繰り返すでしょう。精度の高い分類AIの裏には、必ず「手間をかけた正確なラベル付け」が存在します(因果構造)。

さらに、従来の手作業による地目分類と比較した場合、AIは圧倒的にスピーディで、広範なエリアにも対応できます。人手との役割を分担すれば、実務上の大きな武器となるでしょう(対比構造)。

6. 今後の展望とGitHubへの公開

このプロジェクトのコードやデータ構成はすでにGitHubで公開されています(下記参照)。全国の自治体や研究者が自由に活用・拡張できるよう、オープン化が進んでいます。とくに「分類器の一般化」や「他都市への適用性検証」は今後の焦点です。

まとめ

奈良市のオープンデータを活用した地目分類AIの構築は、公共データの社会実装という観点でも非常に意義のある取り組みでした。教師データ作成の地道な努力が、実用的かつ高精度なAIモデルを生み出す鍵となったことは明白です。

今後もこのようなAI×GISの取り組みが全国各地で加速すれば、日本の土地管理の未来はより明るいものとなるでしょう。


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